機能性胃腸症

原因不明の胃痛、胃もたれ、
すぐに満腹を感じ、
胃もたれがしたり、
吐き気が出たり、
でも、病院で検査をしても特に異常なしといわれる。
薬を服用しても改善せず、あまり効果も期待できない。
これを最近では、
「機能性胃腸症」ディスペプシアといいます。

ディスペプシアの実態

朝日新聞よれば、成人の14%が経験しているが、内科医でも知らない方が30%もいるそうです。40代以降の女性に比較的多いと書かれていますが、本院には、30代の方や、男性もこの症状で来院されています。
原因ははっきりせず、いろいろ複雑に絡んで起こるのではないかとされています。ストレスや、暴飲暴食、不規則な生活習慣も誘因になります。
不眠やうつ症状をそれぞれ40%以上の患者さんが併発しているそうです。
慢性胃炎と混同されていることもあるということです。

診断基準(朝日新聞より)

東洋医学での診断ではありませんが、参考まで。

  • つらいと感じる食後のもたれ感
  • 早期飽満感(すぐに満腹になる感じ)
  • 心窩部痛(みぞおちの痛み)
  • 心窩部灼熱感(みぞおちの焼ける感じ)

以上の症状が1つ以上当てはまり、原因となりそうな、器質的疾患がない。

東洋医学的考え

東洋医学では昔からこのような症状を訴える患者様を治療してきています。
いわゆるストレスが原因で、胃に不調が出る。
東洋医学ではこの原因を、肝鬱気滞といい、
現れた症状を、肝胃不和といいます。
ずっと昔からわかっていることです。
患者様の中にはパニック症状やうつ症状、不眠などを同時に発症している方もいます。
胃の症状になる前に、何らかの信号が出ているはずです。
肩こり、頭痛、湿疹・・・・放っておかないようにしましょう。

当院での症例

44歳 女性(伊丹市)

春から地域の役員になり毎日忙しく、疲れがたまっていた。
その夏の猛暑によりさらに疲れが増し、8月上旬に体調を崩した。
症状は、疲れやすい、頭痛、肩こり、夜によく目覚める、汗をかく、下痢と便秘を繰り返す、
食欲不振、胃痛胃もたれ、手足が冷える等である。
特に食事がとれなくなり、来院時には体重の減少が著しく、ムコスタ(胃薬)を服用しても改善がなかった。
治療は元来小児の頃よりお腹が弱く、下痢又は便秘がちであった体質のお腹を強くすることを目的に、最初の1か月は週2回、その後は週1~2回し3か月で改善した。ところが急な運動と、いつもより多めの油物を摂った後、再び腹が張り(膨満感)食事がとれなくなった。その後食事指導と治療をして改善した。現在予防も兼ねて来院。

前の記事

自律神経失調症

次の記事

パニック障害